小学校教諭をしている友人の祖父の話です。
歩道をゆっくり歩いていたおじいさんは、前から自転車2台が並列でこちらへ向かってくるのに気がついたそうです。
それは制服姿の男の子達で、互いを見ながら話をしつつ歩道を走っていたそうです。
2人はおじいさんがいることを気にせず、並列したまますれ違おうとしました。
その時、2台の自転車の後ろからもう1台自転車が飛び出してきて、おじいさんと正面衝突したそうです。
後からわかったことですが、衝突した自転車に乗っていたのは、前2台の子たちの友人で、話に加わりたくて3台で並列しようとして、おじいさんに気づかず衝突したそうです。
跳ね飛ばされたおじいさんでしたが、学生達はそのまま逃げてしまいました。
幸い周りの人がすぐに救急車を呼んでくれ、命に別状はありませんでしたが、大腿骨を骨折していることが分かりました。
目撃者が多数警察に、「ぶつかったのは〇〇学校の制服を着ていた」と証言し、さらに近隣の監視カメラの映像ですぐに3人は特定されたそうです。
警察、学校から連絡を受けた3人のうち、前の2人は「自分たちは関係ない」と言い張り、後ろの子も「向こうが飛び出してきたから自分は悪くない」と言い張ったそうです。
ですが、監視カメラの映像があると分かると、後ろの子は自分の過失を認めました。
一方、前の2人は依然として、むしろ「自分たちは当たっていないのだから無関係」と言い、親もそう主張したそうです。
直接当たっていなくても、一連の交通事故に関連しており、怪我人を放置して逃げたことは明らかでした。
未成年ということで、罪は軽いことが分かっていた友人は、すぐに弁護士に相談したそうです。
「絶対に許せない」
そう弁護士の方に伝えると、その方も「絶対に逃がしません」と強く約束してくれたそうです。
その方の勧めもあって、民事裁判でその3人と両親を訴えたそうです。
3つの家族はおじいさんと友人家族に土下座しに来たそうですが、一切容赦せず、裁判は原告の勝利。
賠償金額の全額を払わせたそうです。
彼女のおじいさんは、事故までは矍鑠としてお散歩する姿もどこか凛とした雰囲気のある人でした。
しかし事故後、すっかり意気消沈してしまい、退院することなく衰弱して病院のベッドで亡くなったそうです。
友人は「教諭人生すべてを賭けてもいい。してはいけないことをした子どもを曖昧に許してはいけない。必ず自分のしたことの意味を考えさせないといけない。もっと小さいころから、親や教師がすべき教育なのに、今は叱ることがタブーになっていて、子どもたちは自分を正当化することしかできなくなっている。私はその子たちが大人になって、親になったころの日本が怖くて仕方ない」と言っています。