“買い物へ行くために旦那が運転する車に乗っていると、「マズイ、ぶつけちゃった」。
私、「どうかしたの?」
旦那、「前の車にオカマを掘ってしまった」
後部座席に座る私からはオカマが見えない、
私、「どこにオカマがいるの?」
旦那、「マズイ、カギを掛けて」
すると、私達の乗る車は、柄の悪い男らに囲まれてしまった。
男ら、「おい、出てこいよ」
旦那は私が出産した時に失神したほどのビビリ、男らに囲まれると、旦那は下を向いたまま私に「君も下を向いて」。
夫婦揃って車の中で下を向いていても埒(らち)が明かない、私は携帯電話から父親に連絡をすると、弁護士をしている父親の友人が私達のところに来てくれることになった。
弁護士が来るまでは夫婦だけで耐えるしかない、男らに何を言われても下を向いたまま、窓を叩かれると旦那はプルプル震えていたが、私も怖くてオシッコが漏れそう。
父親に連絡をして10分ほどがすると、近くでセダン車が停まったため、「助かった、弁護士だ」と思ったのだが、その車から出て来たのは私達の車を囲っている男らの仲間だった。
今、車を出たら何をされるか分からない、父親に「弁護士はまだ来ないの?」と電話をしていると、近くにタクシーが止まった。
今度こそは弁護士で間違いない、ドアが開いてタクシーから出て来たのはヨボヨボの爺さん。
どう見ても弁護士には見えない、私が知る映画での弁護士はカッコイイが、現れたのはただのヨボヨボ爺さん。
しかし。そのヨボヨボが私達のほうに近付いて来て車の窓を軽く叩いたため、このヨボヨボも男らの仲間かと思っていると、「弁護士の◯◯だよ、お父さんから頼まれて来たよ」、父親の友人だから現れた弁護士も高齢者だった。
車を囲む男らは、「ちぇっ、弁護士が来たか、帰るぞ」。
セダン車で後から来た男らは帰るつもりでいるのだが、旦那に車をぶつけられた男は、弁護士が来ても私達に「早く出て来い」と高圧的。
ヨボヨボの弁護士は、「貴方達の弁護を私がして良いか?」と聞いて来たのだが、旦那は相変わらず下を向いたままだったため、旦那に代わって私が「お願いします」。
するとヨボヨボの表情が急に変わった、そのことは私だけが気付いたのではなく、旦那にぶつけられた男も気付いた。
男は気付いたが、仲間が見ている手前、「早く出て来い」と叫び続ける。
すると、ヨボヨボの弁護士はその男に、「これからは私が君の相手をするから」
ぶつけられた男、「爺さんには関係ないだろ」
弁護士、「関係なくはないよ、私が代理人なのだから」
代理人ということは、ぶつけた旦那に代わって弁護士が対応をするということ、つまり、旦那イコール弁護士、旦那に対する暴言は弁護士に対する暴言と同じ。
そのことを知っているのか、セダン車に乗って来た男らがぶつけられた男に「やめておけ」。
事故処理はヨボヨボの弁護士が殆どしてくれ、弁護士が代理人になってからは、ぶつけた相手からの嫌がらせは一度もありません。”